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コーチングの会話事例


コーチとの会話から自分の気持ちをそのままただ受け取ってもらううちに、だんだん心の扉が開いてきて、奥底にあった感情に気づくまでのプロセスをみてみましょう。
赴任してきた上司によるストレスが原因で数日混乱していた参加者。コーチとの会話で参加者に変化が生まれる点に注目してください。
はじめは、なんとなく運の悪いことばかり続くというところから話が始まっていきます。
「分別」のセンスをコーチとの会話により、効果的につかんでいくことができます。
システムプログラマーである参加者との会話をご紹介いたします。
コーチとの会話によって「分別」ができ、恋人への不満が解消したケースをご紹介いたします。
仕事でうまくいっていないことがあるという参加者に対するコーチングです。
何か出来事が起きた時に自分に起きている体験をそのままにする前に、自分の解釈に変わってしまっているパターンをみてみましょう。



 
独立して仕事を始めたAさんとコーチの会話
今、一番気になっていることについて話してもいいですか。
コーチ はい。もちろんです。
実は、私は最近会社を辞めて、独立して仕事を始めたのです。
コーチ うん。

でも、まだ収入が安定していなくて、
本当にやっていけるのかなぁ・・・と思うんですよね。

コーチ うん。それだけ?
あと、すごく焦りも感じます。
コーチ そっか。焦りを感じるんだ。
それから・・・・とても不安です。
自分ひとりで社会に通用するんだろうかって思います。
コーチ なるほど。不安があるんですね。
ほかには?
ほかに・・・・やっぱり、ひとりでやることが、すごく怖いです。
コーチ そう、すごく怖いんだ。
そうなんです。
時々やっぱり会社に戻ったほうがいいんじゃないかと思うときもあります。
コーチ そうですか。はい。
でも、そんなこと考えてるばっかりじゃだめだとも思うんです。
コーチ はい。(間)
・・でも、本当は自分で何とかするしかないんですよね・・
コーチ そう思うんだね。
ええ、そうですね・・・・。
コーチ 他には何かありますか?
ほかには・・・・・でもやっぱり、一人で稼ぐなんて大変なことだし、
自分の実力では難しいんじゃないかって思います。
コーチ それは誰かに言われたの?
いえ、特に言われてません・・・・
コーチ じゃあ、あなたの実力では難しいって誰が決めたの?
それは、やったことないから・・・・
コーチ 今の質問は、「あなたの実力では難しいって誰が決めたの?」ってことですよ。
あ、それは・・・・私がそう思っているだけです。
コーチ うん。どうやら、誰もそう言ってないみたいだね。
そっか・・・私が自分でそう決めただけなのかも・・・。
コーチ そうかもね。
そうなのかも・・・。
どこか自分で「できるわけがない」と決め付けていただけなのかもしれないです。
コーチ うん。そうだとしたら、フリーでやることはどう思う?
・・・できるかどうかは、やってみないと分からないのかもしれないですね。
コーチ そうですね。
そう考えたら、少し気持ちが楽になれました。
これからのことを、もっと前向きに考えてみようかと思います。
コーチ すばらしい。ぜひそうしてみてください。
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運の悪いことばかり続くと悩んでいるAさんとコーチの会話。
最近、運が悪いんです。ここのところ、ずっと調子がよかったのに、嫌なことばかり続いて、ちょっと落ち込んでいます。今まで勤めてきた会社を辞めたほうがいいのか、でも辞めたくても生活のこともあるので、どうしたらいいかよくわからなくなっています。
コーチ 混乱しているみたいですね。
はい。たくさん嫌なことがありすぎて何から話していいのか・・・
コーチ まず、どれか一つ選ぶことはできますか。
そうですね。一つ選ぶとしたら、最近赴任してきた上司のことです。
その人はぜんぜん部下を信頼していないんです。
コーチ Aさんは、その上司の方は、ぜんぜん部下を信頼していないと感じているんですね。
上司の方のどんな態度をみてそう感じ入るのでしょう?
社員に対する態度をみていると、いつも不快になります。何かあると、頭ごなしに怒鳴りつけて、人の考えや意見も聞く耳を持たないで、いつもかなり無理な要求をしているんです。そのためにある同僚の一人はいつも残業をしていて、彼が日を負うごとに萎縮していくのがわかるんです。
コーチ なるほど。彼に対する上司の方の態度をみて不快になっているんですね。
あなたには、毎日、上司に怒鳴られている彼が萎縮している様に見えるんですね。
はい。
コーチ そのことに関して他に何か感じていることはありますか?
なんでこんな人がえらくなれるんだろう。といつも思います。たぶんあの上司は他の上の方の人には調子がいいんだと思うんです。きっと自分よりえらい人の前では、あんな態度はとらないからだと思うんですけど・・・
コーチ ちょっと待ってください。あなたの上司がどうしてえらくなったかという理由探しは今ここでは、ちょっと置いて起きましょう。
はい。では、私はどうしたらいいのでしょう?
コーチ 先ほどの話に戻って、あなたに起きていることをもう少し観察してみましょう。
Aさんは、その出来事を見て、何を感じているかに焦点を当ててみましょう。
不快に感じたり、彼が萎縮してしまっている様に感じていたり、なんでこんな人がえらくなるんだろうって考えてしまったり・・・そのほかに何かありますか。
他にですか? 他には・・・
頭ごなしに怒られている時、彼はどう思っているだろうと思います。
コーチ 彼が、どう思っているのかも気になっているんですね。
他には何か感じていることやあなたに起きていることはありますか?
他には・・・思い出すととても、苦しい感じがします。
コーチ 苦しい感じもあるんですね。他には何かありますか。
私も、あんな風にどなられたら嫌です。彼は、あんな風に言われて大丈夫なんだろうかとか。自分だったらどうするのだろう。それが一番かもしれないです。
コーチ それで全部ですか。他にも何かありそう?
本当はもっと、いい雰囲気で仕事がしたいです。彼は、普段私と話すときには、とても真剣に仕事のことを考えているし、早く文句を言われずに仕事をしたいという気持ちがあります。でも、その上司と話している時は、それを話題に出す間もないんです。今まで私のいる部署は、人が生かされるとてもいい職場だと思っていました。私はとても運がよいと思っていました。数週間前にあの上司の人が上に入ってから・・・とても部署全体の雰囲気も悪くなって回りの人も私もストレスを抱えている様に感じています。
コーチ なるほど。部署全体の雰囲気も悪くなっていて、Aさんだけでなく周りの人もストレスを抱えている様に感じているんですね。色々と出てきましたね。
ここまでシェアが終わったところでいっしょに参加していたBさんが次の様な発言をしました。
ちょっと、今の話を聞いて感じたこと私も話していいですか。私は、今のAさんの話を聞いてすっきりしました。実は、私は会社で管理をする側の人間なのですが、ここの所、若い世代の部下とのコミュニケーションがしっくりいっていないと感じていました。私自身は頭ごなしに怒鳴ったりする訳ではないのですが、今の話は、私も思い当たるところがありました。部下の状況は、きっちり聞いていなかったと思いました。
コーチ なるほど。Aさんの話を聴いてそう感じたんですね。
その前にAさん。他に今の時点で言っておきたいことはないですか。
はい、運が悪いのではなく、自分に起きていることがはっきりしたことで少し、ラクになりました。
コーチ どうもありがとう。Aさん。Bさん。
さて、ここまでの会話をみて、Aさんに変化が起きていることをみていきましょう。
その変化を整理してみましょう。人に話をすることには次の6つのポイントが変化しました。【話をする前】と【話をした後】で比較してみましょう。
(1)自分の今、感じていることが明確になる
話しているうちに自分の感じていることがはっきりしてきます。運が悪いといっている状態では、Aさんに起きていることを解消することが難しいですが、Aさんが感じている事をAさん自身がつかめれば、対応策を考えることも出来ます。本人が自分で感じていることをつかむことで思っているほど、問題が深刻でなくなる場合も少なくありません。
【シェア前】運が悪いことが起きている
【シェア後】数週間前に部署に今までとは違う上司が入った
       その上司は頭ごなしに怒鳴る上司である様だ。
(2)具体的になる
不快であることを人に打ち明けるだけでも、ある程度ラクになることもあります。友達や会社仲間などで愚痴をこぼし合って、すっきりした経験のある人もいるでしょう。けれどもここでは、もう一歩先に進みます。愚痴を言っても、問題が解決されていなければ、後でまた、その感じに戻るか、かえって物事の大変さが際立って不快感が増幅されることもあります。Aさんは漠然として不快感から、感情や思いが具体的になっていっています。
【話をする前】不快
【話をした後】どうして、あんな人がえらくなるんだろう。
        苦しい感じがする。
        私も怒鳴られたら嫌だ。
        自分だったら、どうするんだろう。怖い。
        もっといい雰囲気の中で仕事をしたい。
        人が生かされる会社であって欲しい。
(3)余分なものは、そぎ落とされる
会話の途中でAさんが「どうして上司がえらくなったんだろう。」という理由を探しだす場面があります。「上司がどうして昇進しているか」をAさんがどんなに長い時間をかけて考えたところで、その答えがでないことは明らかです。それを考え続けていてもAさんの問題の解決や解消には決してならないことに気づくことで余分に思いを巡らすことがなくなります。
【話をする前】きっと、上司は調子がいいところがあるんだろう。
        そうだ。たぶん、もっと上の人達の前では、調子のいい態度をとっているんだろう。
        だから・・・
【話をした後】上司がえらくなった理由など考えてもわからないのでそれはやめる。
(4)可能性が広がる
Aさんの様に運が悪くなってなんとなく自分がすっきりしないという場合には、自分に何が起きているのかの全容が見えていないケースがほとんどです。しっかりと自分に何が起きていることかを具体的につかめると、問題自体が解決されていなくても、感情や気持ちのモヤモヤは解消されていきます。身の回りの出来事に対して私たちが感じることは一つではありません。人はどんな混乱した状態になっていたとしても、思い悩んだり苦しんだりするその奥底には、いつでもその人が心のそこから願っている希望や叶えたい意志などが存在します。

Aさんが話をしていくうちにつかんでいったもの
・T感情(不快、苦しいetc)
・U出来事に対する考慮・判断・解釈(どうしてあの上司が・・・etc)
・V自分の感情ではなく人の状態(彼は大丈夫か・・・)
・W希望・意志(もっといい雰囲気で仕事をしたい。人が生かせれる職場がいい)

Aさんがラクになったのは、自分の意志を確認することかできたからかもしれません。無理にポジティブに考えようとしたのではなく、話をしていくうちに、自分の感じていることの背景になっていることにあらたまて気づくことができました。自分の深い部分にある意志や希望に触れると、もう一度会社にいってみようかなとか辞めなくても何か解決先があるかもしれないと冷静に考えることが出来る様になります。
(5)回りの人や環境に影響が出てくる
話をきいていると、他の参加者が何かに気づくことはよくあります。BさんがAさんの話をきいて発見したことは、大きな成果と言えます。Bさんは、既に部下との間のコミュニケーションを変えた方がよいだろうということには気づいていますが、この話をきくまで、部下とのコミュニケーションにおいて、何がうまくいっていないかまでは自覚がなかったのです。そして、「上司が部下の話をきく」と言った方法論は山ほど学んだ末に、実際の会話の中では使えないと考えていました。ここでの発見の大きなポイントは、誰に言われたわけでもなく、自ら、「部下が何を感じているかきっちり、聞いたことなどなかったかもしれない。」ということを発見したことにあります。本人がラクになったり、明確になったりするばか りでなく回りでいっしょに聞いている人にも何らかの発見や影響が出てくることがありま す。
(6)現実が変容する
欲しいモノを手にいれるために、しっかり感じとっていっていただきたいことがあります。それは、自分の希望や意志を発見し、それを自分の言葉で表現すると、日常の中に変化が訪れるということです。一見小さな変化に見えるかもしれませんが、どんな小さな変化でもしっかり感じ取ってください。Aさんの例では、この後、Aさんは、自分がただ会社の同僚を頭ごなしに怒鳴っているから、運が悪い、どうしていいかわからなくなっているという状態ではなく、その出来事を通して、Aさん自身が以前から、仕事で生かされていないと心の奥底で感じていたことに気づくことが出来ました。自分が生かされるとは、どんなことなのかを考え始め、その後、彼女は独立し、現在はフリーで活躍しています。
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取引先のお客様との関係に悩むAさんとコーチの会話
今、仕事で気になっていることがあるんです。
コーチ どんなことですか?
実は、私は3ヶ月ほど前から、あるプロジェクトで取引先の企業に入り込んで仕
事をしています。自分の会社に出勤するのではなく、直接お客様の会社に出勤して仕事をしているのですが、お客様が言ってくることが最近気になるようになってしまって。
コーチ そうですか。具体的にいうとどんなこと?
はい、最初はそうでもなかったのですが、最近はお互いに慣れてきて、お客様が、結構細かいことをうるさく言ってくるのです。
コーチ では、お客様が細かいことをうるさく言ってくることが気になっているのですね。
ええ、そうですね。
コーチ そのことについて、もう少し具体的にしていってもいいですか?
はい。
コーチ お客様があなたに「うるさく言ってくる」というのは具体的にいうと?
ええ、たとえばシステム仕様書の書式が以前と違っていたり、文字が小さくなっていたりすると、なぜ変わったのですか?などと言ってくるんです。
コーチ なるほど。
疑問に感じてしまうのは仕方がないと思うのですが、プロジェクトの進行の大勢には全く影響がないようなことなのです。
コーチ はい。あなたはそう感じているんですね。
そうです。そのために私の作業も逐一止めなければならなくて、せっかく集中しているときなんかは、すごく迷惑だと感じてしまうんです・・・。
コーチ なるほど。仕事の手が止まってしまうので迷惑と感じるときもあるのですね。
ええ。でも最近は、あまりにも細かく言ってくるので、自分のことが気に入らないのではないかと思ってしまって・・・・それが気になって、以前より仕事の効率が悪くなってしまったように思うんです。
コーチ なるほど。最近、お客様が細かく言ってくることで、自分のことが気に入らないのではないかと思いはじめてしまっているんですね。それで仕事の効率も悪くなったように感じているんだ。他には何かありますか?
いいえ、特に他にはありません。
コーチ ありがとうございます。今のお話を聞いていると、あなたは実際に起こっていないことで悩んでしまっているように感じます。あなたのお話について「事実」と「事実でないこと」の分別をすることで、かなりの悩みが悩みでなくなると思います。ここでいう「事実」とは、出来事や行動・言動・体の感覚・体験・感情など実際にあることです。そして「事実でないこと」は、意味づけや解釈・理由・ストーリー・評価など、頭で考えだされたことをいいます。ですから、あなたが、頭の中でごちゃごちゃにしてしまっている「事実」と「事実でないこと」を、きっちり分けていくだけで、随分と気持ちが楽になり、悩みの解消につながっていきますよ。
へぇ・・・・。
コーチ では、実際に分けていきましょう。たとえば、「細かいこと」に注目してみましょう。あなたが「細かいこと」と思っているのはどんなこと?
えっと・・・。たとえば、書類の書式設定についてとか・・・・。
コーチ では、あなたは書類の書式設定を小さなこと、と思っているのですね。
そうですね。
コーチ はい。あなたは書式設定のどういうところが「細かいこと」だと思うのですか?
それは・・・・仕事の本質には関係ない些細なことのように思えるからです。
コーチ なるほど。あなたにとっては、仕事の本質ではなく些細なことのように思えるので、細かいことなのですね。
はい、そうです。
コーチ 分かりました。ではここで、あなたのこととお客様のことを分けて見ていきましょう。実際お客様はどう感じているのですか。
えっと・・・たぶんお客様にとっては、気になることだから質問してくるんだと思います。
コーチ お客様がそう言っていたの?
いいえ、特には・・・・。
コーチ じゃあ、それは誰が言ってたの?
えっと・・・自分がそう思っただけです。
コーチ お客様に聞いたことはある?
いえ・・・ないです。
コーチ じゃあ、お客様が何を感じてることは、分からないよね。
そうですね・・・・お客様がどう感じているかは、分かってないです。そっか・・・。
コーチ しっかり見てくださってありがとうございます。ひとつの事実についていろいろな意味や解釈を加えることで、ものごとが難しくなることがよくあります。この観点からみると、実際に「事実」として起こっていることだけを注目してみるとしたら、どんなことが見えますか?
自分が取引先の企業で勤務していること。それが3ヶ月ほどたつこと。それから・・・最近、お客様がいろいろと、自分にうるさく言ってくること。
コーチ なるほど。そうですね。事実として、取引先の企業で3ヶ月ほど勤務していることはありますね。ただ、お客様については、また事実とそうでないことが混じってしまっているようです。ここについてもう少し見ていきましょう。
はい。
コーチ あなたが「うるさく言ってくる」と感じるのは、どんなことについてですか?
私が集中して作業を進めている最中も、しょっちゅう質問してくるところです。
コーチ なるほど。しょっちゅう質問してくるところをうるさく感じているのですね。
そうです。
コーチ それはさっきと同じように、混ぜてないかと見るとどうですか?
えっと・・・・あ、「うるさく」というのも自分が意味づけしているということですか?
コーチ そうですね。「うるさく」言うのは、質問されるという事実について、あなたが思っていることだというのはつかめますか?
ああ・・・・そうか。はい、確かにそうです。
コーチ それは、あなたがつけている解釈や意味づけですね。
お客様は、あなたに必要なことを言っているだけなのかもしれませんよ。
ええ・・・。確かに、「事実」としての言動や行動は、お客様が○○の件で1日に何度も確認をしてきた。ということです。それを、「小さなこと」とか「うるさく」言ってくると思っていただけなんですね。
コーチ はい。他に事実ではないことは何がありますか?
えっと・・・・事実ではないのは・・・あ!自分のことが気に入らないんじゃないか、ということとか、あとタバコを吸うふりをして、さぼってるんじゃないかと思われる、ということとか・・・
コーチ すばらしい。それは、事実でないとしたら何?
そっか・・・私の解釈とかストーリーです。実際お客様はそう思っているとは限らないのですよね。
コーチ はい。あなたは、実際お客様には聞いていないのでしょう?
ええ、そうです。
コーチ どうして聞かないの?
え・・・単に聞きにくいだけで・・・
コーチ そうですか。では、今後はどうしていきますか?
はい、思い切ってお客様と会話をしてみます。私が思っていたのと同じようにお客様にも何か事情があるのかもしれませんしね。それが分かったら何かすっきりしました。
コーチ すばらしい。しっかりやってください。
コーチとの会話で「分別」をしていくと、今まで気にしていたことが、単なる自分の思い込みであったことに気づいたり、悩んでいたことが解消されたり、今まで分からなかった相手のことが理解できたり、と色々な前進があります。このようにしっかり「分別」できるようになると、現実に対応できるようになり、これまでよりもずっと簡単に物事を進めていくことができるでしょう。
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頼りない恋人に不満をもつAさんとコーチの会話
実は、彼が今ひとつたよりなくて、最近不満を感じてしまうんです。
コーチ なるほど。具体的にいうと?
はい。彼は確かに優しいのですが、何かにつけて決めることができなくて、何でも私に決めさせようとするんです。
コーチ そうですか。たとえば?
ええ、デートでどこにいくかも私任せだし、仕事の相談をしても、結局は私が決めることだから、ってアドバイスもしてくれないし・・・。
コーチ うん。
そんな彼を見ていると、優柔不断で頼りがないな・・・・って思えてしまって。
コーチ 彼のことを優柔不断で頼りないな・・・・と思ってしまうんですね。
はい。
コーチ これまでのことを「あなたのこと」と「彼のこと」に分けてみていきたいのですがよろしいですか。
はい、いいです。
コーチ 私たちは近い関係性になればなるほど、自分の思いや相手の行動など、色々なことをごちゃまぜにしてしまうことがあります。「あなた」が彼に対して思っていることをもう一度言ってもらっていいですか。
彼がデートの行き先を決めてくれなかったり、仕事の相談をしてもアドバイスをしてくれないので、優柔不断で頼りないと思っています。それが最近不満です。
コーチ はい。彼は本当に優柔不断で頼りないの?
ええ・・・そうだと思います。
コーチ じゃあ、なんでデートの行き先を決めてくれないのか、聴いてみたことはある?
それはないですけど・・・
コーチ なんで聞かないの?
別にそんなこと聞かなくても分かるから・・・・。
コーチ 本当に?
たぶんですけど。
コーチ もしかしたら、彼はあなたがデートの行き先を決めてくれないのを不満に思っていることさえ気づいていないのかもしれませんよ。
え・・・そんなことないと思いますけど。
コーチ でも、彼に聞いてみたことはないんですよね。
そうです。
コーチ 一度彼に聞いてみたら?もしかしたら、彼はあなたが考えていることと全く違うことを考えているのかもしれないですよ。
確かにそうですね・・・。
コーチ 今、会話をしていったのは、「自分」と「相手」を分別するということなんです。私たちは、自分の考えていること感じていることと、相手の考えていることは違うのだという認識をしていないことが多々あるのです。特に、恋人同士など親しい関係性になればなるほど、自分と相手は一緒だと感じていたい気持ちから、つい分別がしにくくなってしまいます。あなたも、彼に聞く前に、「きっとそうに違いない」と思い込んでいるように見えるのですが、いかがですか?
そう言われてみると、そうです。
コーチ はい。では、自分と相手を分別すると、他にどんなことが見えるか会話していきましょう。
はい。
コーチ では、「あなた」が彼に対して感じていることは、他にありますか?
そうですね。あとは、仕事の相談をしてもアドバイスをしてくれないことが頼りないなと思っています。
コーチ はい。なぜアドバイスをしてくれないのか彼に聞いたことは?
えっと・・・ないです。
コーチ じゃあ、それも聞いてみないと分かりませんね。もしかしたら、彼はあなたの仕事を尊重していて、自分で考えるほうがいいと思っているのかもしれないし、あなたが自分で考えることで成長して欲しいと思っているのかもしれませんよ。
あ・・・そうですね。私が思い込んでいただけなのかも・・・。
コーチ そうかもしれませんね。では、どうしますか?
それも彼に一度聞いてみようと思います。
コーチ ぜひ、そうしてみてください。
はい。
コーチ 今、「自分」と「相手」を分別してみてどんな感じですか?
ええ、何だかすっきりしています。そういえば、今まで自分が色々不満に思っていたことも、彼に何も伝えていなかったし、彼の気持ちを聞いたこともなかったなって気づきました。そう思ったら、とてもラクになりました。
コーチ すばらしい。分別をすると、相手のことは分からないから、聞いてみようという行動もでてきますね。ぜひ色々会話してみてください。
はい。
コーチ それから、あなたは彼とどんな関係をつくっていきたいですか。
そうですね・・・・・やっぱりお互いが成長し合えるような関係でいたいです。これからもそんな関係で、彼とずっと一緒にいたいです。
コーチ 受け取りました。今、言ってみてどうですか?
はい。本当にそうだったらいいなぁ・・・と思いました。
コーチ うん。それが、あなたが本当に望んでいることなのかもしれませんね。
ええ、そうですね。
コーチ そのことを大切に、彼との関係を育てていってください。
ありがとうございます。
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会社での人間関係に悩むAさんとコーチの会話
なんだか最近、大変なんです。
コーチ 大変な状態の様ですね。何が起きているんですか?
会社での人間関係がうまくいってないんです。私は、今年最も自分がやりたかったプロジェクトのリーダーを任されました。最初はとても楽しくてやりがいを感じていたのです。でも、最近同僚が私のことを妬むようになって。
コーチ 実際に起きている出来事はなんでしょう?
あなたの同僚が直接あなたに向かって妬んでいるといったんですが?
いいえ。そうは言っていません。態度をみるとわかるんです。明らかに避けている行動をなんです。
コーチ 具体的に避けている行動とはどんな行動ですか?
メールをしても返事が来なかったり、以前はよくお互いの仕事上の悩みを打ち明けあったりして会社が終わったあと、飲みに行ったりしていたのですが、最近はほとんどいっしょに飲みに行くこともありません。
コーチ 最近その同僚から、メールの返事が来ていないし、以前はよく会社が終わった後、飲みに行っていたのにほとんどいっていないんですね。
はい。そうです。だから、プロジェクトのリーダーになれたことは嬉しいのですが、同僚とはうまくいかなくってしまったことが悲しいんです。そうですね。私に起きていることは悲しい感じだと思います。
コーチ 悲しい気持ちがあることは伝わりました。けれど、ちょっともう少し、じっくりみてみましょう。メールの返信が来ないことだけに絞ってみましょう。そのことであなたには何が起きているんですか?
「いつもだったらすぐに返事をくれるのにどうしたんだろうと」
コーチ はい。「どうしたんだろう」って言うのはどんな感じですか。もう少しその感じを 詳しく話していただけますか?
「何かあったのかな?」とか「どうして返事をくれないんだろう」とか 「何か私が気を悪くする様なことをしたんだろうか」とか・・・後は、今、話していてすごくドキドキしている感じがします。とても嫌な感じです。何か不安な感じです。「きっと、私がリーダーになれたことを怒っているのかもしれない」って
コーチ 本当に怒っているのでしょうか。
「・・・。」(長い沈黙) 「私が昇進したことで、同僚が離れてしまったのではないかと思って」
コーチ あなたのことを怒っているのでしょうかね。
何も言ってこないから怒っているのだと思います。
コーチ 何も言わないと怒っているのですか?何について怒っているのでしょう? 相手に怒っているかどうかを聞いてみたのですか?
いいえ。直接は聴いていないです。
コーチ 聞いてみないのはどうしてですか?
何だかはっきりさせるのは怖い気がします。
コーチ 事実ではないかもしれないことに振りまわされてしまっているのかもれません。一人で考えている自分で解釈をして、その中で苦しんでしまうことがあります。「どうしてすぐにメールの返信がないんだろう」というのが「何かうまくないことでもしたのではないか?」という不安に変わり、「きっと自分が昇格したことで怒っているんだ」という風に自分なりに考えてしまったのではないでしょうか。どんどん事実から離れていっているのがわかるでしょうか。
はい。確かに、本人とは直接話をしていないので私の想像ではあるんですが。
コーチ 関係ないことと関係ないことを関連付けてきっとこうだからこうなんだろう。と自分の納得しやすいように解釈していることはよくあります。私たちが混乱するほとんどの場合は、この様に実際には、事実ではないことに対する混乱です。それをさらに頭の中で解決しようとするので当然、解決の糸口がみつかりません。思い悩むことのほとんどは事実とは違うことがあります。あなたが、怒られせてしまったと感じていることは、どうやら事実とは異なっている様ですね。もしかしたら、怒っているかもしれないし、怒っていないかもしれないというのが事実ですね。
はい。
コーチ 先ほどから気になっていることが一つあるのですが、それをあなたに伝えてもいいですか。
はい。
コーチ あなたは、今回プロジェクトのリーダーになれたことは嬉しいのですが、同僚とうまくいかなくなってしまったことが悲しいとおっしゃっていました。つまり、あなたには嬉しい感情と悲しい感情の両方があるということですね。
はい。リーダーにはずっとなりたかったので嬉しいです。先ほど話しているうちに同僚が怒っているかはわからないので今は悲しいというより不安な感じがします。
コーチ はい。そんな風に変化したんですね。いずれにしても今の場合も、不安の方は伝わってくるのですが嬉しい感じはあまり伝わってこないように私には感じました。そのことが気になったのですがどうしょうか。
言われるまでは気づかなかったのですが、嬉しいというのは、あまり表現していないのだと思います。同僚も努力をしていたので自分ばかり喜んではいけない様な感じがしています。
コーチ もし、あなたが嬉しいのであればその感じを味わってみてはどうでしょうか。あなたの同僚がプロジェクトリーダーになるために色々努力してきた様に、あなたも、プロジェクトのリーダーになるためにいろいろやってきたのではないでしょうか?あなたは、本当によくやってきたのだと思いますよ。あなたは自分に与えられた贈り物に対して、もっと喜びあなた自身がすばらしかったことを認めてもよいのではないでしょうか?どうでしょう?
はい。それを喜んで味わっている時間もありませんでした。そういう風に言っていただけるのはとても嬉しいです。半分照れくさい様に感じもしますが・・・
コーチ 欲しいモノが入ってきたとき、それが得られ喜びや嬉しさをしっかり味わうということも大切です。
私たちは、こんな風にポジティブな体験をすることを止めてしまっている場合があります。せっかく欲しいモノが入ってきてもその嬉しさを味わう前にもう次の問題を発見してしまいます。ネガティブな反応もポジティブな反応もすべてそのまま味わいつくし、あなたの欲しいモノが入ってくる準備が出来ている状態をつくりましょう。
   

 

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